今回は、多くのパート・アルバイト労働者に影響を与える「106万円の壁」について、最新の情報と対策をお伝えします。

我が家も106万円の壁を意識してパートをしています。制度も複雑で、よく変わることから整理してみました。
はじめに
社会保険制度の変更により、多くのパート・アルバイト労働者が「106万円の壁」に直面しています。この記事では、106万円の壁の意味、最新動向、そして賢明な対処法について詳しく解説します。収入調整から社会保険加入のメリット活用まで、あなたの状況に合わせた最適な選択肢を見つけるヒントを提供します。
106万円の壁とは
「106万円の壁」とは、パート・アルバイト労働者が社会保険(健康保険・厚生年金保険)に加入する基準となる年収のラインを指します。この壁を超えると、これまで扶養に入っていた人でも自身で社会保険料を負担しなければならなくなります。
2024年現在、以下の5つの条件をすべて満たす場合に社会保険への加入が義務付けられています。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 月額賃金が8.8万円以上(年収106万円以上)
- 勤務期間が1年以上見込まれる
- 学生ではない
- 従業員数が101人以上の企業で働いている


2024年からの制度変更について
2024年は、パート従業員の働き方に大きな影響を与える制度変更がされました。10月からは社会保険の適用拡大が進み、被保険者数が51人以上の企業が対象となりました。この変更により、106万円の壁を意識するパート従業員が増加しました。
さらに注目すべき点として、現在の「103万円の壁」について、2025年から「178万円」への引き上げが検討されています。この変更が実現すれば、多くのパート従業員にとって、より柔軟な働き方が可能になるかもしれません。
政府の支援策
労働者の「働き控え」を防ぐため、政府は以下のような支援策を実施しています:
- 社会保険料の事業主負担の軽減措置
- 短時間労働者の賃上げに対する助成金の拡充
- 社会保険加入による不利益を防ぐための法整備
106万円の壁を超えるとどうなるか


106万円の壁を超えると、主に以下の変化が生じます。
- 社会保険料の負担が発生
- 手取り収入の減少
- 配偶者の扶養から外れる可能性
- 配偶者の会社の家族手当が減額・喪失する可能性
具体的な社会保険料負担の実例
45歳のパート従業員(介護保険あり、賞与なし)の場合、給与月額88,000円で標準報酬月額も同額となります。
この場合の健康保険料は月額10,076円(本人負担5,038円)、厚生年金保険料は月額16,104円(本人負担8,052円)となり、社会保険料の合計は月額26,180円(本人負担13,090円)となります。
このように、106万円の壁を超えると、毎月の手取り額に大きな影響が出ることがわかります。
年収の壁については書籍を一度読むことをおすすめします。
年収の壁に悩む方必見です。あなたの働き方を変える鍵となります。この一冊で、複雑な制度を理解し、賢明な選択ができるようになります。
106万円の壁への対策
1. 収入調整
106万円の壁を意識して収入を調整する方法があります。ただし、この方法は長期的には不利益となる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
2. 社会保険加入のメリットを活用
社会保険に加入することで得られるメリットもあります:
- 将来の年金受給額の増加
- 手厚い医療保障
- 各種給付金の受給資格
これらのメリットを考慮し、長期的な視点で判断することが重要です。
3. 複数の仕事を組み合わせる
週20時間未満の仕事を複数組み合わせることで、社会保険加入を回避しつつ収入を確保する方法もあります。ただし、労働時間の管理が複雑になるデメリットがあります。
4. スキルアップによる時給アップ
資格取得や専門性の向上により時給をアップさせ、労働時間を抑えつつ収入を確保する方法も検討できます。
106万円の壁と他の「壁」との違い
103万円の壁(所得税の壁)
103万円を超えると、配偶者控除が段階的に減額されます。ただし、2024年現在では、150万円まで配偶者特別控除が適用されるため、影響は限定的です。
130万円の壁(社会保険の壁)との違い
従来の社会保険加入基準でしたが、106万円の壁の導入により、多くの場合はこの壁が106万円に下がったと考えられます。ただし、企業規模によっては依然として130万円が基準となる場合もあります。
Q&A
Q1: 交通費は106万円の壁の計算に含まれますか?
A1: 通常、非課税となる範囲内の通勤手当(交通費)は106万円の壁の計算には含まれません。ただし、実費を超える部分は含まれる場合があります。
Q2: 106万円の壁を超えると国保(国民健康保険)はどうなりますか?
A2: 社会保険に加入することになるため、国保から脱退する必要があります。手続きを忘れずに行いましょう。
Q3: 公務員の配偶者も106万円の壁の影響を受けますか?
A3: はい、公務員の配偶者も同様に影響を受けます。ただし、具体的な扱いは各自治体や組織によって異なる場合があるので、詳細は勤務先に確認してください。
Q4: ボーナスは106万円の壁の計算に含まれますか?
A4: はい、ボーナスも含めた年間の総収入で判断されます。ボーナスの支給がある場合は特に注意が必要です。
Q5: 残業代は106万円の壁の計算に含まれますか?
A5: はい、残業代も含めた総収入で判断されます。残業が多い場合は、年収が106万円を超えやすくなるので注意が必要です。
まとめ
106万円の壁は、パート・アルバイト労働者の働き方に大きな影響を与える制度です。2024年以降もさらなる適用拡大が予定されており、より多くの人々がこの壁を意識する必要が出てきます。
短期的な収入減少を避けるために働き控えをするのではなく、長期的な視点で自身のキャリアと生活設計を考えることが重要です。社会保険加入のメリットを十分に理解し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、最適な選択をしていくことをおすすめします。
社会保険制度は複雑で、個々の状況によって最適な対応が異なります。この記事を参考にしつつ、ご自身の状況に合わせた判断をしていただければ幸いです。



